金本監督 屈辱3連敗で打線に怒り「何をどう考えているのか…」

[ 2016年8月29日 05:47 ]

<神・ヤ>ベンチから飛び出し険しい表情の金本監督

セ・リーグ 阪神1―3ヤクルト

(8月28日 甲子園)
 阪神は28日のヤクルト戦(甲子園)に敗れて3連敗。借金は「11」に膨れあがった。ヤクルト先発の山中に2試合連続の完投勝利を許し、今季4度の対戦で3勝目を献上。フライアウトの数が18もあり、術中にはめられた。3位・DeNAとも3・5差に広がり、クライマックス・シリーズ進出へまさに踏ん張りどころだ。

 スタンドにはまだ多くの子どもたちの姿があった。夏休み最後の甲子園は4万2683人の大観衆。1―3の9回2死二塁、一発同点を期待して最後の声援を送ってくれた。しかし代打の原口が中飛に倒れてゲームセット。3連敗を喫した金本監督は謝罪の言葉を口にした。

 「見ての通り…。本当に申し訳ない」。

 2連敗した前夜27日、「明日は夏休み最後。甲子園に来てくれるファンを勝って喜ばせる」との約束は果たせなかった。この日は初回に先頭・上本が二塁打で出塁すると、北條には珍しくバントの指示を出した。確実に走者を進めると高山の中犠飛で5試合ぶりとなる初回の先制劇。しかし、2回以降はゼロ行進…。

 「前回と一緒よね。何を、どう考えて、このピッチャーを打とうとしているのかが、まったく見えてこない。それ(対応)を、どう考えているのか…。(追加点が取れないのは)ずっとね」。

 今季は山中に4度対戦して3勝目を献上。しかも6日の神宮から2試合連続の完投勝利を許している。1点リードの2回には無死からゴメスが中前打を放った。しかし続く柴田も大和もともに左飛。走者を得点圏に進めることすらできなかった。5回も坂本が無死から左前打したが、続く代打の今成が二飛、上本も捕飛で一塁から動けなかった。

 「とにかく立ち上がりを行こうという姿勢は出た。でも結果を見ると、もっと強いゴロ、ライナーの打球が欲しかった」。

 片岡打撃コーチも試合前のミーティングでの指示内容とは正反対の結果に肩を落とした。前回は9イニングで16もあった飛球アウトが、さらに増えて18。アンダースロー右腕の術中に見事にはまったと言うしかない。

 甲子園でヤクルトに同一カード3連戦3連敗は12年ぶりで、今季、チームは本拠地で20勝28敗1分け。8月は3試合しかなかった甲子園でのゲームを全敗となり、一度も六甲おろしを楽しく歌ってもらうことが出来なかった。借金は11に膨らみ、3位のDeNAとは3・5ゲーム差に広がった。CS進出の可能性も低くなる。今こそ金本阪神の底力が試される。(山本 浩之)

続きを表示

2016年8月29日のニュース